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「ここに訪問者はいません。」

年末年始。

 近況?報告します。
昨年12月はちゃんと現場で音楽が聴けた月でした。

12/1(11/30深夜) RADIOBOY a.k.a. Herbert, MATMOS他@リキッドルーム
12/5 Bjork@オーチャード
12/16 矢野顕子@クワトロ
12/27 Herbie Hancock@ブルーノート東京

 ええと、どれも本当に素晴らしかったです。じゃあお話にならないので、
エレグラに人口が集中していた11/30~12/1の夜のできごとを書きます。


 タイムテーブルが判らなかったので、Herbertとかが早めに出てきたらあとは
幕張に移動してもいいかもと思っていたのですが、まあそんなこともなく、
竹村延和のローパワーなエレクトロ音楽やら、近田春夫チルドレンっぽい、
もしくは早口なかせきさいだあ的な若者(形容が多いのは名前を忘れた所為
だったんです)の良質な和製ヒップホップなんぞを聴いて待つこと3時間、
MATMOSが登場。


 Bjork行った方は既にご存じの、Bjorkツアーのバック&前座をやったグループ
です。前半はDJ(正確にはパワーブック演奏)、後半はライヴという構成でしたが、
眼前1mのDJブースからあの変てこで綺麗で気持ちのよい音を発してこられては、
こちらもくにゃくにゃと踊るほかなく、浮遊感と律動感の奇妙に同居する時間で
ありました。


 そして最後がRADIOBOY。
Matthew Herbert名義の時はハウスをやる人ですが、
いや、ハウスには違いないのですが、RADIOBOYは身体表現と呼んだほうが適当。
ビッグマックとか浜崎あゆみのCDとか、遺伝子組換え原料使用と明記された
ケロッグコーンフレーク、海外ニュースでお決まりの日本製テレビなんかを、
次から次へ出しては壊しながら、3本のサンプリング用マイクと機器類を使って
破壊音、落下音、打撃音そして歓声までをも即座に抽出する手捌きは
それじたい舞踏のようでしたし、それらの音を積み重ねて楽曲を構成していく
さまは、演奏というより、切り絵芸とか手品のような、職人の技に似た何かと
言うべきものでした。

 「マスなるもの=資本主義への懐疑」とか、「反社会的原料(破壊活動)に
よってもたらされ、一見善良なポップミュージックであることによって
アイロニーであるような音楽」とかいう理屈はさておき(さておかなくても
よいんですが)、これほど見て美しく楽しい音楽制作の現場には、なかなか
出会えるものではありません。

 音を発し、発した音にさらに俊敏に身体を反応させて動いていく、音楽工場の
興行用ロボットのようなRADIOBOY芸にすっかりヤラれて帰りました。


 1月は、友人兼元居候のオーガナイズした「地獄の黙示録・特別編集版」プレ
公開イベント@みるくにて、中原昌也のノイズとデートコース・ペンタゴン・
ロイヤルガーデン(DCPRG)のファンクがみごとに表現した戦争状態によって、
みごとに38℃台の風邪を治したくらいです。