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ゼンカイジャー終わっちゃいましたね

あ、最初に書かないといけなかった。ネタバレがあります。



"機界戦隊ゼンカイジャー:“最終カイ”に「♯ゼンカイジャー」が世界トレンド1位 ラスボスとの決着に「伝説すぎる」と大反響"
MANTANWEB(まんたんウェブ)2022年2月27日
https://mantan-web.jp/article/20220227dog00m200016000c.html

2月27日(日)に最終回を迎えた『機械戦隊ゼンカイジャー』は、このきな臭いタイミングでの放映も相俟って、
「ラスボスとの決着をジャンケンで終わらせる」
という平和的な大団円が話題になっていた模様。

でも、この最終回が本当に新しかったところは、ジャンケンという手法よりむしろ、その報酬というか、動機そのものだったような気がする。

長く敵対してきた並行世界との争いに勝利した結果、《神様》によって自分達の世界を唯一正統な世界として認められ、存続を許された主人公は、そのことを良しとせず、敵を含めて多様な世界すべてを解放=存続するよう求めて、《神様》に勝負を挑む、その方法がジャンケン=偶然性だったということ。

ここに至って、1年間ぼくらの見てきたものは、実はクリプキ的な可能世界論の視点から「真なる命題」みたいなものの絶対性に疑問を呈し、世界自体が孕む多様な可能性に目を向けよう、その結果としての多様性を愛そうという物語だったんだなと気づかされる。

だからあれは、「《神様》との勝負がジャンケンでいいのかww」ではなく、偶然性が支配するジャンケンとかサイコロとかあみだくじのようなものでなくてはならず、そこで主人公が自分の負ける可能世界も含めて受け容れたことによって、逆に《神様》の勝つ目がなくなったという示唆なんだろう。

1年を通じてシナリオの斬新さ、面白さに目を奪われたゼンカイジャーだったけど、この締めくくりと、次回作(また別の並行世界)に介人くんと似て非なるまったくの別人(笑)が出てくるという仕掛けも含めて、お見事でした。